フローにんげんの一日

しょーもない日々にしょーもない突っ込み!

膨らむ話

なかなか話の種がない、あってもなかなか膨らまない。そんなこんなで考えていると、ひと月前にほんのちょっとだけ、面白いな思った話を、思い出したので聞いて欲しい。

僕の従兄弟は福岡に暮らす鹿児島人だが、暮らし初めて早十五年、すっかり短気になってしまった。先日ちょっと用事があって、博多で従兄弟と待ち合わせたが。バスに揺られて四時間半、いたんだ腰をさすりさすりで、ちょっとマックで休んだ為に、約束の時に遅れてしまった。

ものの半時間遅れただけで、従兄弟は鬼の形相である。どうしてそんなに怒っているのか、落ち着いたときに尋ねて見ると、何でも博多の街に暮らすと、せっかちになってしまうらしい。

県民すべてがせっかちだから、ラーメン屋さんが麺を茹でてる1分半が待てなくて、バリカタが生まれ、針金が生まれ、揚げ句に2秒と茹でずに揚げる、人呼んで「コナ」の生まれる迄に。

それならウドンはどうかと言えば、反して軟らかいのが出てくる。茹でる時間が待てなくて、いつでも提供出来るよう、お店はずっと茹でてるそうだ。この前兄と行ったのだけど、つつけばぶよぶよ、すくえば切れて、すすれば千切れ、噛むにも噛めず、飲み込む時は旨いのだけど、見る間に汁を吸って膨らみ、ほとんど食べた気がしない。

加えて何を間違えたものか、大盛りの為に60円を払っただけで、麺が2.5倍はある。ちょっとお喋りしている間に、3.5倍くらいになって、食べても食べても追い付かない。飲んでもないのに汁がなくなり、店員さんがヤカンで汁を継ぎ足す為に、いつまでも減る気配がない。

兄に頼んでようやく皿を空けたとき、腹はパンパンに膨らんでいた。膨らみ、膨らみ、膨らむ話。