フローにんげんの一日

しょーもない日々にしょーもない突っ込み!

不労にんげんの1日

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東京に行って一番ビックリしたことは、居並ぶ巨人の如きビル。少しかかんで覗いていると思うや否や、挑んでみましょうこのマッスルで、天を摩するのあの楼閣に。相応しいのは高島屋、小説内でしばしば登場するこの名前、一度見物したかったのだ。

そこでGoogleの導くままに、二十分ほど歩いていたが、どうやら迷子になったらしい。GPSの迷子である、ビルで電波が届かないのだ。方向音痴で迷った訳ではないのだから、地図だけ見てれば到着できると、更に二十分歩いてわかった、きっと巨人が動いている。ここは迷いの森なのだ。富士の樹海と同じなら、GPSの咎ではないし、もちろん僕のせいではないけど、地図さえ読み込まないのは困った。

迷った地図に従って、ままよと迷えば負の数2つをかけるが如く、一周廻って着いてしまった。そこで喜んで入ろうとするが、入り口が良く分からない。駐車場なのか、テナントなのか、はたまた従業員用なのか。やっとこ見つけて入ったら、すぐに立て札にぶつかって、回り込んだら下着売り場で、恥ずかしくなって居たたまれない。エレベーターで上がったら、Tシャツ一枚一万円だし、恐ろしくなり見慣れたロゴを探して行ったら、ナイキショップがプラダみたい。尻尾を巻いて逃げ出したいが、子供の頃から鹿児島三越、買いはせずとも通っていたから、おめおめ逃げ出す訳にも行かず、この城郭を攻略せん。

ステーキ屋さん?笑わせてくれる!二人で一万五千円とか、まず笑えないジョークでしょ?それはまだしも、何でそんなに蕎麦が高いのか、そばは庶民の食べ物でしょう。庶民食事に寄り添わずして、そやつのどこが『そば』なのか。もう駄目である、エレベーターに乗り続けて、とうとう登り詰めたと思えば、今度は連絡通路があって、屋上ばら園なるものがある。

本館に渡り今度は降りる、高級寝具に一度寝たなら、二度と起きられないのでは?変な彫刻売り場を通り、店員さんにどんな意味かと尋ねてみたが、やっぱり首をひねっている。買えるとしたら残暑見舞いと書いてはあるが、達筆で読めぬポストカード、だけども贈る相手がいない。

もう嫌になって飛び出すと、警備員さんがニコニコ笑って、優しく誘導してくれる。動きが洗練されていて、仕事に誇りを持ってるのだろう。安い蕎麦屋で堅すぎる蕎麦をすすりながら、お金を稼いで来ようと思った。8階の蕎麦を食べてから、いつか文句いってやろう。