ありふれた奇跡に触れた日
数日前、僕は仕事でミスをした。
肩身の狭い思いをしながら、無愛想な先輩に手伝いを頼んだ。
それでも終わらなかった仕事のために、およそ二時間の残業をした。
帰る道すがら、スマホを開いて、電車の時間を調べてみる。
やっぱり駄目だ。どんなに急いで走ったところで、次の電車には乗れやしない…
初秋の駅のベンチ座って、待つ一時間をどうすごそうかと、しずしず歩いていたところ。
ふと見る駅が明るいのである。
学生の頃に思い描いた、銀河鉄道のような夜。ぼんやり明るい席に座って、ぼんやりスマホを開いていた。
なんと電車が10分も遅れていたのである。
そして友達のラインに気付く。
「今日焼き肉にいったらねー!お芋が顔になってたよーー!」訳の分からない言葉と一緒に、こんな画像が貼ってある。
それから5分後、返事も待たずに。
「食べようとしてタレに浸けたら、ゴマが引っ付いて鼻になったよーーー!小さな奇跡!?」
その小さな奇跡に、どれだけ救われたことだろうか?
奇跡は身近にありふれていて。
こんなにもしょーもないことものごとに、
それでも気付き
けれども傷付いていたんだな。
と思った!