フローにんげんの一日

しょーもない日々にしょーもない突っ込み!

ジムの休日 鬼頭と浜中

職場についたら、僕らは真っ先にチーフから、ダンベルの掲示をつくる為、写真を写して欲しいと言われる。新人さんは研修だけど、大川さんは2ヶ月も早く入った癖に、エクササイズの自主練である。

その後マシンの整備をしたが、とても汚れる仕事である。鬼頭がマシンを分解し、浜中が磨き、大川は腕を組みながら、顎をしゃくって指示を出す。腹は立つものの、もめたくはないが、邪魔である。

新人さんが一人でいるのを見計らい、大川さんをけしかけてしまう。迷惑そうな顔も出来ずに、一昨日僕らが教えたことを、珍しそうに聞いている。顔は相手の方を見てるが、背中の後ろに両手を隠して、消しゴムを千切り、中指ではじき飛ばしていた。

正直悪いと思ったけれど、彼女のおかげで仕事が多いにはかどって、予定より早く終わってしまう。頑張って働いた分、強張った身体を少しほぐそうと、キャッチボールを二人でやった。大川さんなどは今日1日で少しも仕事をしてないのだから、僕らもちょっとはくつろいでも良い。

ベテランさんがちょっと顔を上げ、パソコンの中に沈んでいく。新人を研修しながらも、ダンベ掲示をパソコンで作り、トイレにも行かず、市に出す書類を作成している。正直何を考えてるのか、分からない。能力があるのは分かるけど、どうしてそこまでするのだろうか。

大川さんは今日で四度目のトイレに行かれた。僕らはボールで遊び続ける。ベテランは怒らない、ただチラチラとこっちを時折見るだけだ。何を考えているのだろうか。少しだけこわい。かといって何か出来る仕事があるわけでもなく。僕らはボールを投げ続けた。