クールでない人々

ホテルにたどり着いた時、めっちゃ怒ってる人がいた。フロント三人いるうちの、男二人が対応している。一人残された女性スタッフは、受付二つをさばいている。

何で怒っているのだろうか？僕には、とんと分からないけど、旅で疲れているのだから、早めに部屋に行きたいのだが、受付だけで十五分くらい待たされてしまう。

ずっとオッサンのぐちゃぐちゃ言うのを聞いてたら、だんだんイライラが募ってくる。「このホテルまだ開いたばかりで、スタッフも慣れず失敗だってあるだろうからって、半額の値で泊めてくれてんだ！それなのに何を一体ごちゃごちゃ言っとるねん！」と口元まで出た言葉を飲み込む。

自分の番がやって来て、女性スタッフがテキパキ対応してくれた。僕はオッサンを尻目に見ながらスタッフさんに、ニッコリ微笑み、クールに立ち去る積もりであった。

積もりであったが、スーツケースを忘れてて、再び戻ってきてしまう…何とも格好悪いから、苦笑いして「客だってミスをするからね…」って呟きながら立ち去った。

だっさい後ろ姿である。