フローにんげんの一日

しょーもない日々にしょーもない突っ込み!

ジムの休日 店員

飲み会で真っ先に来たのは、幹事ではなかった。浜中氏のあとに、鬼頭氏が来て、二人で先に乾杯したところで、ようやく幹事がやって来たようだ。先ほどまで映画の話で盛り上がっていたふたりだが、ちょっとだけ喋りにくそうにしている。

ポツリポツリと大川さんに話題をふって、大川さんも答えて膨らまそうとはするが、相槌がなくて話しづらい。そこにもう一人やって来た。みんなの顔が明るくなる。

ベテランはみんなと会話出来るのだが。鬼頭とバイク、浜中と野球、大川さんとは中国語と、各々と話すことしか出来ず。沈黙は無いが皆一緒に盛り上がることも出来ずにいた。

そこに新入りがやって来て、みんな彼女に話を振る。話はしばらく盛り上がるが、しかし気心が知れないだけに、それほど突っ込むことも出来ずに、いささか下火になりかけたところ、ようやくチーフが顔を出す。

大分安心したようで、鬼頭がやたら大川に絡み、大川は嫌な顔一つせずに、笑って色んな話をする。きっと仕事は出来ないけれど、飲み会の席で便利なタイプだ!チーフは時折仕事の愚痴を織り混ぜながら、飲みの席でしか言えぬとばかりに、大川さんを優しく諭す。新入りはひたすら笑っている。仕事とは違う顔を見て、ちょっと安心したのだろう。

宵も更ければ、酔いも醒め、良いも悪いに変わるだろう。仕事ともなれば大川さんは、またも爪弾きされてしまう。それでも酒が彼らの円を取り持つならば、飲み屋の仕事も良いなと思った。